Ⅳ-2.佐藤奨学生 修学研修旅行      戻る


「日本の歴史や産業の原点を学ぶ2日間の修学研修旅行」

青梅佐藤財団では毎年市内の中学・高校卒業生の中から、厳正な審査の下に推薦された、各学校2名を佐藤奨学生 に認定して、賞状と記念品を贈呈し顕彰して参りました。
 財団設立30周年を記念して平成19年度より、選ばれた中学卒業の奨学生の皆さんには記念品と併せて、思い出に残る ような修学研修旅行を贈ることにしております。
 毎年多数の奨学生の参加をいただき、日本の歴史や近代産業発展の原点を学ぶ一泊二日のバス旅行を実施しています。


令和6年度 修学研修旅行 
令和7年3月26日~27日、令和6年度卒業奨学生:20名

【研修旅行日程】
 ・3月26日(水)

7:15 

 ・河辺駅北口出発<貸切バス>
   <青梅IC--圏央・中央・東名--名古屋IC>
 
12:30 

 ・トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館見学
   <清州東IC--東名阪・伊勢道--伊勢IC>
 

17:30 

 ・鳥羽 戸田家 着・・・会食・宿泊

 ・3月27日(木)
8:00 
 ・戸田家 発
 
8:35 
 ・伊勢神宮(外宮)自由参拝
 
9:25 
 ・伊勢神宮(内宮)正式参拝
 
 
 ・お神楽奉奏
 
12:00 
 ・おかげ横町探索
 
13:00 
 ・昼食(松阪牛肉処「力也」)
 
14:00 

 ・帰路に着く
   <伊勢IC--伊勢・東名阪・東名・中央・圏央--青梅IC>
 
20:45 
 ・河辺駅北口 着


photo-1

photo-2
諏訪湖SAにて休憩

photo-3 100年前に造られた「環状織機」



photo-4 記念館ロビーにて



photo-5 綿をよりこにする「ガラ紡機」



photo-6 トヨタ式人力織機



photo-7 90年前に造られた「A1型1号車」



photo-8 車体の構造を学ぶ



photo-9 ボディの全自動溶接ロボット



photo-10 「カイゼン」の基本「やってみてから考えよう!」



photo-11 宇治橋前にて



photo-12 五十鈴川お手洗い場



photo-13 神宮宮掌から説明を受けました。



photo-14 手水舎に作法を学ぶ



photo-15 内宮御正殿前にて



photo-16 「人長舞」神楽殿にて



photo-17 「蘇民将来」のしめ飾



photo-18 旅行の大イベントの「松阪牛のすき焼き」



同行の添乗員の酒井さん、ガイドの今別府さん、運転士の只野さん、看護師の川田さん 今年もご協力ありがとうございました。

また、参加された佐藤奨学生の皆さん、この修学研修旅行の体験と出会いを生かして、より良い人生を歩んで いくよう、心より願っております。



 

☆ 今年も旅の終わりに奨学生のみなさんから感想文を書いていただきました。
   いずれも前向きで頼もしい文章ばかりでした。
  そのうちの二つを原文のまま紹介させていただきます。


【感想文-1】
 26日の朝は、とても緊張しながらバスに乗りました。他校の人と仲良くなれるのか、研修旅行を楽しめるか不安でしたが、 席に着いてすぐに隣の席の人が話しかけてくれてこの研修旅行が良い思い出となることを確信しました。普段は酔いやすいのですが、 友達との会話や、ガイドさんのお話が楽しく面白く、酔う暇がありませんでした。
 トヨタは車のイメージしかなかったので、繊維や織物の分野でも、後世や世界中に受け継がれるようなすごい技術を 発明していることに驚きました。トヨタが評価されるのは高度な技術を開発することだけでなく、当時高価だった鉄の使用量を減らし、 木材を使用するなど、価格の面などにも目を向けていたからだと思いました。ほかにも「just in time」の考え方は、昔からトヨタで行われているのに 現代の「SDGs」などにもつながる部分があること繊維産業だったにもかかわらず関東大震災から「今後の日本は車社会になる」と考え、 自動車の開発、生産を始めたことなど評価され受け継がれるものにはその理由があるということを改めて感じました。 繊維機械は基本動作を変えずにさらに高品質なものを作れ、作業する人々が扱いやすくするなど、関わる全ての人々のためを思い開発 していることがすごいと思いました。また、自動車では乗りやすく性能が良くなっているのに小型なものが増え、色や艶にも力を入れていることは買う人の ニーズをたくさん反映していて人々から愛される会社になることに納得しました。
 戸田家は思っていたよりも何倍も何十倍もレベルが高かったです。まず夜ご飯がとてもおいしかったです。エビやアワビをはじめとする海鮮、 松阪牛のステーキ普段食べないような贅沢なものばかりで最高でした。全て食べ終えたとき、すでに満腹でしたが、もう一周食べたいと思いました。 温泉も最高でした。同じ班の人と温泉巡りをしたことも、その途中道に迷ったことも全て楽しかったです。夜は、少し遅くまで起きて恋バナをしたりしました。 違う学校の人だからこそ話せることもたくさんありました。朝は少し眠かったけど、班の人との距離が縮まったように思いました。 朝ごはんは部屋に入った瞬間たくさんの料理が輝いて見えました。好きなものをたくさん食べられてうれしかったです。
 伊勢神宮では全てが貴重な経験でした。ガイドさんや職員の方の説明があったことで、自分1人では注目しないようなところも見ることができました。 特別参拝や御敷地の外周を歩けたことは特に印象に残っています。五十鈴川はすごく透明で底に石や泳いでいる魚が鮮明にみえました。 また、橋や建造物は木材がとてもすべすべしていてきれいでした。ほかにも大きく太い立派な木がたくさんありました。目に入るものすべてから伊勢神宮が神聖な場所であることを感じました。 正直難しそうであまり興味のない分野でしたが、伊勢神宮や神さまの成り立ちなどについてお話を聞いたり何より直接実物を見られたことで「日本の文化や歴史についてもっと知りたい」と思いました。
 最高の2日間の締めとなるすき焼きはとてもおいしかったです。お店に入ったときからいい香りがして食べるのが待ち遠しかったです。たくさん食べてバスに乗るとき少し 苦しかったけどとても幸せでした。 帰りのバスからは行きとは違う景色が見えて楽しかったです。行きも帰りもバス移動の時間は大切な旅行の思い出の一つです。 佐藤財団の皆様、このような修学研修旅行を用意してくださりありがとうございました。他校の人との交流は想像以上に楽しく、「本物」を体験することの素晴らしさを知りました。 奨学賞をいただいたとき三年間の努力や頑張ったことが認められたように思いました。 表彰していただけたことや、修学研修旅行に参加できたことはとても嬉しく、良い思い出になりました。この機会がなかったら出会うことのなかった人とも仲良くなりました。 初対面に等しい人の旅行を共にすることはとても不思議な経験でしたが、一生忘れない2日間でした。 奨学生に選ばれた事を誇りに思い生きて行きたいです。ありがとうございました。


【感想文-2】
 今回の旅では、たくさんの本物と出会い、気づき、得られた経験がありました。 そして、その経験が自分にとってどれほど大切なことかがよくわかりました。 トヨタ産業技術記念館では、日本の産業の成長と自動車製造の過程を学びました。 日本産業の基本的な精神である「just in time](必要なものを、必要な時に必要な物だけ作る) という考えは、SDGsが企業の中で重視される現代でもすごく大切だと思いました。豊田喜一郎の言葉、「良い品、良い考え」が自分の中ではすごく心に残っています。数々の画期的なものづくりを行っていた喜一郎の原点には、 やはりそれ相応の考えがあることを知り、これから先どんなときも学ぶことを忘れず考えることを忘れないようにしようと改めて感じました。このことがものだけでなく「良い自分自身」を作る時も大切だとふと思いました。 私がすごく楽しかったのが、バスガイドをしていただいた今別府さんの話です。時事や知識を織り交ぜながらもユーモアのあるガイドに引き込まれ、聞き入ってしまいました。 ガイドがあることで本当に旅がより楽しいものに変わりました。私も人を引き込むような話し方ができるようになりたいと思っています。そのためにもたくさんの知識を身に着けていきます。 2日間の旅を共にした仲間もまた本物でした。全員がそれぞれに目標に向かって努力し着実に前に進んでいることを話していくうちに知り、それは自分も同じであることを気づかされました。 宿泊先で友情を深められた時間が一番楽しかったです。
 2日間で食べたご飯はみんな一度は聞いたことがあるようなお肉やお魚を思う存分いただきました。普段は食べれないようなものを口にできて、良い経験になりました。 2日目に行った伊勢神宮で見た社殿は質素なつくりでありながらも独特な迫力がありました。すべて自給自足で成り立っている神宮内だけは、大昔に戻ったかのような不思議な感覚でした。神様をあがめるという日本の文化の起源を感じれた気がしました。15年間日本で生きてきましたがまだまだ日本文化にもついて知らないことばかりで、もっと知りたいと思いました。 神楽の際に聞いた雅楽もまた日本の文化であり、初めて聞きました。本物の音色はやはり神秘的で日本そのものを象徴しているような音楽でした。今後、自分が将来どんな仕事についてもどんなことをすることになっても、 この2日間の体験は確実にその糧となるものでした。申し訳なくなるくらい、貴重な体験をさせていただきました。これからもこの経験は忘れません。 本当にありがとうございました。中学での最後の最後の思い出になりました。